PTSDとは

PTSDは正式には英語でPost-Traumatic Stress Disorderといい、日本語では心的外傷後ストレス障害又は外傷後ストレス障害と言われています。PTSDとは人が通常体験する範囲を越えた非常に強いストレスとなる出来事に巻き込まれたことによる障害のことで、この外傷体験(トラウマ)が長時間持続する症状をいいます。外傷体験となる出来事としては、戦闘体験・自然災害・暴力・性犯罪・交通事故など重大事故などがあげられます。さまざまな症状が見られます。

PTSDの特徴と症状

PTSDは、上記のような非常に強いストレスとなる出来事を体験したあと、様々な身体的、精神的症状が見られます。 次の3つが主な症状としてあげられています。

再体験症状(フラッシュバック)

傷体験になった出来事を夢の中で繰り返し体験したり、普段の生活の中でも、繰り返しその状況を思いだしたりします。

回避症状

上記の再体験を避けるために、外傷体験となった出来事を思い出すような状況や関連した事物を避けつづけたり、その出来事が全く思い出せなかったり、感情が麻痺したりします。

過覚醒症状

夜も眠れなかったり、怒りっぽくなったり、あるいは警戒心が極度に強くなってしまいます。
これら3つの症状に加え、自分が自分で無いような感じ(離人感)を抱いたり、パニック障害や対人恐怖を併発することもあります。

PTSDの治療法

PTSDの治療法で重要なこととして、外傷体験やそれによって引き起こされるストレスを知ること、感情やストレスを自分でコントロールできるようにすること、そしてその体験に関連する状況や事物に直面しても「大丈夫」という安心感を持てること、などが挙げれます。そのためには、暖かい雰囲気の中で外傷体験となる出来事をカウンセラーと語りながら安心感を得ること、そしてその中でさまざまな対処法を考えていくことが有効だとされています。

参考文献
氏原寛・小川捷之・東山紘久・村瀬孝雄・山中康弘(共編) 1992 心理臨床大事典11章「家族」 培風館

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